委員会資料
第3回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第3回JPドメイン名諮問委員会議事録
1. 日 時: 2002年11月11日(月) 15:00 ~ 17:15
2. 場 所: 如水会館 3階 「松風の間」
(東京都千代田区一ッ橋 2‐1‐1 Tel:03‐3261‐1101)
3. 出 席 者: 後藤滋樹委員長
松本恒雄副委員長
飯塚久夫委員
潮田壽彌委員
加藤真代委員
4. 陪 席 者: 渡邊哲男(JPRS 取締役)
堀田博文(JPRS 取締役)
宇井隆晴(JPドメイン名諮問委員会事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 委員の紹介
3. 今回の委員会開催について
4. 議題
(1) JPドメイン名登録管理業務に関する方針について
(2) 第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について
(3) その他
5. 閉会
6. 資 料
資料1 座席表
資料2 JPドメイン名諮問委員一覧
資料3 答申書(案)「JPドメイン名登録管理業務に関する方針について」
資料4 答申書(案)「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
参考資料1 諮問書「JPドメイン名登録管理業務に関する方針について(JPRS-ADV-2002001)」
参考資料2 諮問書「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について(JPRS-ADV-2002003)」
参考資料3 JPドメイン名諮問委員会規則
7. 議 事(◎は委員長、○は委員、●は JPRS 取締役および事務局の発言)
《開催の挨拶》
《委員の紹介》
● 本日下浦敏治委員はご欠席にて、5名の委員の方のご出席ということで、当委
員会の定足数を満たしている。
《今回の委員会開催について》
◎ 本日の議題については、議題1が第1回JPドメイン名諮問委員会、議題2が第2
回JPドメイン名諮問委員会にて、それぞれ、諮問書「JPドメイン名登録管理業務
に関する方針について(JPRS-ADV-2002001)」と、諮問書「第2期JPドメイン名諮
問委員会委員の選任方法について(JPRS-ADV-2002003)」において諮問された事項
になっている。特に議題1については、第2回JPドメイン名諮問委員会の後に、委
員による検討会を持ち、意見を伺っている。さらにその後、各委員との個別の意
見交換も行わせていただいた。これらの議論の結果を受けて事務局に取り纏めを
依頼し、再度委員の皆様のご意見を反映したものが今回の答申書案となっている。
今回は、この答申書案に基づいてご意見を頂き、委員会として承認を行いたい。
まずは、答申書案の背景およびこれまでの議論の経緯を含めて、資料3の答申書
案についてご説明をお願いしたい。
《事務局から資料3について説明》
○ 答申書の「主文」と「答申の詳細」は合わせて答申書を構成するものであり、
不可分なもの、つまり、別々に切り離されて扱われることはないと考えてよい
か。
● その通り。
《情報公開と個人情報保護について》
○ 原則公開には賛成だが、公開が原則なのであれば、個人情報を「開示するし
くみ」をつくるのではなく、個人情報を「開示しないしくみ」を作ることが必要
なのではないか。
● 開示に際しては、何の目的でどの情報を必要としているかを明らかにする、
それ以外の目的には使用しない、といったような具体的な条件を設けて、これを
満たさない場合は開示しないという形にしたいと考えている。また、国際的な動
向も鑑みて、具体的な仕組みを作っていきたい。
○ 答申書案中での定義は、「公開」は「誰でも無条件に閲覧できる状態にして
おくこと」、「開示」は「要求を受けて、希望者に情報を示すこと」という意味
で用いられているが、一般的に「情報公開」とは、ここで書かれている「公開」
と「開示」の両方を含む。その意味では、一定の手続きを経て要求を受ければ情
報が得られるので、広い意味では原則公開を貫徹しているといえる。その中で、
無条件に公開する情報、何らかの手続きを要する情報、など、2段階または場合
によっては3段階などの、段階的な公開を行うことになることは妥当だろう。
○ 資料3の7ページの「(1)ドメイン名の登録希望者が、希望するドメイン名の登
録可否を確認するために、ドメイン名の登録状態に関する情報を公開する。」に
ついて、ここでの対象となる情報には、登録者個人の氏名や住所などは含まれる
のか。
● 含まれない。(1)で想定しているのは、そのドメイン名が存在するかしないか、
という情報のみ。
○ たとえば、登録企業情報などは公開し、個人の場合は氏名や住所などは非公
開、等々という形で、項目ごとに公開/非公開を明確に決められないか。
◎ 具体的な規則のレベルについて本委員会にて定義するのは困難であり、特に
ドメイン名に関する情報のうちで、どの情報がいわゆる個人情報であるかについ
ての定義が必要になるが、それにはより詳細な検討が必要。また、世界的な趨勢
ということについても、公開されていなければドメイン名を仕組みとして動かす
ことができない情報が存在し、どこまでが技術的な要件で、どこからが個人情報
に関わるものかを具体的に判定することも、より具体的な検討が必要になる。当
委員会では、全般的な方針、規則策定時の注意点や方向性を示すことにしたい。
○ ここで用いられている「公開」「開示」など、一般的な用語の常識と言葉の
定義が異なる部分については、明確にしておきたい。
○ 公開される情報のレベルと、「公開」「開示」という言葉の定義について、
資料3の7ページの(2)などに混乱が見られるので、このあたりについては用語の
使い方を精査したほうがよい。
○ 「公開」または「開示」される情報について、登録者は了解しているのか。
● 登録時に了解を頂く形にて登録を行っている。
◎ 本来の目的以外には使用しない、こうしたケースについては公開される、と
いうことについては、登録者に事前の了解を取っている、ということで良いか。
● その通り。
○ 個人登録者に事前に充分な説明を行う義務は誰にあるのか。
● 説明責任はレジストリおよび指定事業者にある。「公開」と「開示」の区分
は、ネットワークトラブル時の連絡先など、瞬時にドメイン名の登録者と連絡先
を知る必要があるものは「公開」、DRPの準備等の際に必要な情報は「開示」と
考えている。
◎ この場合「公開」とは Whois で提供される情報のことでよいか。
● その通り。
○ そういうことであれば資料3の7ページで、(2)や(3)の区分にはあまり意味が
なく、誰でも登録者の氏名・住所等の情報を見ることができてしまうのではない
か。
● 資料3の7ページの(2)では登録者の情報ではなく、運用者の連絡先を想定して
いる。登録者本人が望む場合には本人自身の情報でもかまわないが、基本的には
例えば ISP や、あるいはドメイン名の運用を委託している業者など、運用上必
要な情報がこれにあたり、これを Whois で公開している。一方で、(6)に想定し
ている、法的な手続き等に際して必要となる登録者本人の情報のような、個人情
報に関わると考えられる性質の情報は、一定の手続きを経て「開示」という形で
提供している。
○ ということは、「公開」する項目は、連絡先になりさえすれば、ハンドル名
等、任意の名前でも良いのか。
● CO.JP ドメイン名等の属性型ドメイン名では、登記簿の提出等の審査手続き
があるので、登録者情報として本来の名称とは無関係の名称が入ることは基本的
にない。汎用ドメイン名では、そうした審査は行っておらず、連絡先については
本人の名前等とは切り離して、あくまで連絡を取るための情報をいただいている
ので、個人の名前やグループ名などが連絡先の名称になることがある。ただし、
この場合でも、「連絡がつくこと」が連絡先の条件なので、連絡がつかなければ、
これは誤った情報として訂正を求めることになる。
○ 資料3の7ページ(2)で「知的財産上の紛争」とあり、(6)で「ドメイン名登録、
およびその利用に関するトラブル」と書いてあるのは、非常に混同しやすい。こ
の部分の表記については、見なおしたほうが良いのではないか。
◎ この部分については、文案を見なおすことにする。また、当委員会は、規則
の細則に踏み込むものではないが、現在登録時にどういった情報をもらっていて、
どういった情報が公開・開示されるのかという資料については、後日、参考のた
め事務局より委員に渡してほしい。個人情報の取扱については、今後社会全般の
中で議論が深まっていくと思われ、これは技術的・社会的な問題を多く孕むが、
具体的な問題が発生した際には、都度委員の皆様のお力を借りながら随時検討し
ていきたい。
《ローカルプレゼンス(国内住所要件)について》
○ 資料3の9ページにある、海外居住の日本人、日本人学校へのJPドメイン名の
登録は、「合理的な運用手段」が確立できたら可能にするのが望ましいとあるが、
「合理的な運用手段」としてはどのようなものを想定しているのか。
● 今は具体的な手段は考えていないが、条件としては、例えば、日本人学校で
あれば日本人学校リストが存在している、など、正確で信頼に足り、なおかつ過
剰なコストがかからない確認方法があれば、そうしたものを採用していきたいと
考えている。これは海外居住の日本人等についても、基本的には同様。
◎ ドメイン名に限った話ではなく、海外居住の日本人の選挙権なども同じ問題
があると思われるが、社会的な仕組みと結び付いた問題なので、今後も検討を続
けてほしい。
《現在の属性の見直し、新属性の導入について》
○ 新属性の新設候補は今あるのか。
● 今年に LG.JP があったような形で、外部の要請、あるいは内部検討の中で新
属性の候補は検討しているが、現時点では特にない。
◎ 全ての属性が最初からあったわけではなく、この間 LG.JP が新設されたよう
に、当初より徐々に属性の種類は多くなってきている。
● これまでの属性の新設の経緯については、資料3の21~22ページをご参照頂き
たい。
《登録資格審査業務の委任・委託について》
○ 審査業務の委任・委託について、具体的な予定はあるのか。
● 具体的には予定はない。しかし、例えば政府機関が GO.JP の認定を行ったり
できれば、民間会社である JPRS が行うよりも、社会的な信頼性も認定の確実性
も高まる、というようなことを想定している。また、CO.JP などは、他の機関で
電子的に登記情報のチェック等がきればその方が正確。他には ED.JP などが考
えられる。
○ 組織によってはドメイン名を故意に取らせないなど、公共性に反することを
する可能性も考えられるので、その点については留意してほしい。
《登録資格不適合のドメイン名の扱いについて》
○ 不正な登録によって、知的財産の裁判時等に、相手方をつきとめることが難
しくなったり、不正な登録が多いこと自体が問題である場合がある。登録時の審
査を厳格化し、法人は登記簿謄本、個人には住民票やパスポートの提示を要求す
るなど、本人確認をすることが望ましい。また、国際的な議論の中でも話題にさ
れるべきではないかと思う。
○ 審査を厳密にして、個人情報を確認しないとドメイン名の登録を認めないと
すると、ドメイン名のセキュリティはかなり上がるだろう。一方で、インターネ
ットの利用を促進する面では、登録がオンラインで行えないことは障害になり得
る。現実世界でも、全ての取引でパスポートを見せなくてはならないということ
はなく、ドメイン名の世界にもそうしたバランスを適用するのが良いと思う。
○ インターネットの自由性・バーチャル性が、インターネット産業を大きく発
展させたと言える。しかし、それに伴って、ユーザの質も大きく変化している。
産業の自由な発展と健全性の双方を鑑みながら今後も方針を検討し続ける必要が
あるだろう。
◎ 答申書の書き方としてはこのままで良いと思う。ただし、JPRS としても社会
的責任という観点で、今回頂いた意見を継続して検討していって欲しい。
◎ それでは、答申書の最終案としては、用語の整理を行い、「公開」「開示」
の定義および資料3の7ページにある、ドメイン名登録情報を提供する目的の部分
については、再度情報を整理して書きなおす、ということとし、最終答申案を委
員の皆様に後日ご確認頂く形にしたい。
資料3 答申書(案)「JPドメイン名登録管理業務に関する方針について」につき、
一部修正を行い、委員による確認をもって、諮問書「JPドメイン名登録管理業務
に関する方針について(JPRS-ADV-2002001)」に対する答申とすることが承認され
た。
◎ それでは、議題2「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
について、事務局より資料4に基づいてご説明願いたい。
《事務局から資料4について説明》
《第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について》
○ 当委員会について、外部からの要望・意見等は受けているか。
● 今のところは特にない。
◎ 当委員会の設立時に、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンタ
ーにて、パブリックコメントの募集等を行って現在の構成を決定した経緯がある。
本答申案で特に問題がなければ、これについてはこの場で承認を行い、具体的な
委員会のメンバについては、次回第4回JPドメイン名諮問委員会にて推薦を行う
形にしたい。
資料4 答申書(案)「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」が、
諮問書「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について(JPRS-ADV-2002003)」
に対する答申として承認された。
◎ これにて本日の議案を全て終了し、第3回JPドメイン名諮問委員会を閉会する。
《閉会》
以上
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