委員会資料
第63回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第63回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時: 2018年12月11日(火) 10:00 ~ 10:53
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 大会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長
武山芳夫 副委員長
金子宏直 委員
丸橋透 委員
山路栄作 委員
唯根妙子 委員
4. 同 席 者: 堀田博文 (JPRS 取締役)
宇井隆晴 (JPRS 事務局)
常山敬秀 (JPRS 事務局)
松丸真紀子(JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議題
(1) 諮問「JPドメイン名諮問委員会規則について」への答申書(案)に
ついて
(2) 諮問「第10期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」に
ついて
(3) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 第9期JPドメイン名諮問委員会委員一覧
資料2 答申書(案)
資料3 諮問書「第10期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法に
ついて」(JPRS-ADV-2018001)
参考資料1 諮問書「JPドメイン名諮問委員会規則について」
(JPRS-ADV-2017001)
参考資料2 JPドメイン名諮問委員会規則
参考資料3 答申骨子
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局)
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<開 会>
《出席状況の報告》
●本日の委員会には、後藤滋樹委員長、武山芳夫副委員長、金子宏直委員、丸橋
透委員、山路栄作委員、唯根妙子委員、以上6名の出席をいただいている。
従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な
定足数の「委員の過半数」を満たしていることを報告する。
また、本日、佐々倉秀一委員については、ご都合によりご欠席の旨、予めご連絡
をいただいている。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、松丸真紀子、常山敬秀が同席する。
<議題(1) 諮問「JPドメイン名諮問委員会規則について」への答申書(案)に
ついて>
◎第62回の委員会にて答申骨子が確定し、答申骨子を基に委員長と事務局にて
答申書(案)を作成した。本日は答申書(案)について議論し、答申書の内容を
固めていきたい。
まずは、事務局より答申書(案)について説明いただきたい。
[事務局より資料について説明]
- 資料2 答申書(案)
●ご欠席の佐々倉委員には答申書(案)について、事前に内容を確認いただき、
特段のご意見はない旨のご連絡をいただいていることを報告する。
◎ただいまのご説明について、ご意見・ご質問等があればご発言いただきたい。
○テレビ会議を利用した場合も、録画はしないという認識でよいか。現在の会議
は音声記録のみを残している形になっていると思うが、テレビ会議の場合はどの
ような形で残す予定か。
●委員会冒頭で「記録のために録音する」とご案内しているが、議事録を作成す
る目的で録音している。議事録作成後、録音は保存・使用するものではないため
廃棄している。テレビ会議を導入する場合でも、あくまでも議事録作成のために、
会場内の皆さまの声を録音することを想定している。映像自体を録画することは
今のところ考えていない。
○電磁的な文書の場合、原本という概念がなく、テレビ会議を録画しないという
前提であれば文書としては存在しないと捉えられると思う。もし一部でも録画す
る場合、公的文書だと保管義務等が存在する形になるかもしれない。この会議で
は「この文書は保存する」等の縛りはあるのか。
●諮問委員会の運営の趣旨や規則から、全て公開となっているため、この場にあ
る資料は原則公開となる。記録という意味では、議事録は資料と共に公開してお
り、後に残る資料である。音声や録画は議事録作成のためにとっており、最終的
には議事録が資料として後に残り、それ以外は残るものではないという扱いで考
えている。
●この場にある資料は正式に保存し、かつ、公開をしている。それ以外のものは
公開をせず、保存していないという状態である。
○今まで存在したものに加わる形の電磁的な記録や情報であるため、「録画する
かどうか」と「規則や法令により保存義務が課せられている文書に、録画が含ま
れるかどうか」を明らかにする必要があると思った。録音した音声ファイル自体
は破棄するため、存在しないものとして取り扱うとのことだが、JPRSとしては文
書として保管する義務は全くないという認識でよいか。
●よい。
◎他にご意見がないならば、答申書はこれで確定でよいか。
○異議なし
◎それでは、答申書として本日付けで確定し、JPRSに提出する。答申に基づいた
規則の改定は、JPRS取締役会が行うことになる。進んだ段階で諮問委員会に報告
いただきたい。
<議題(2) 諮問「第10期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」に
ついて>
◎JPRSより、「第10期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」という
諮問書が提出されている。諮問書の内容について、JPRSより説明いただきたい。
[取締役堀田博文より諮問書について説明]
- 資料3 諮問書「第10期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2018001)
◎ご欠席の佐々倉委員より事前にご意見をいただいているとのことで、事務局よ
り報告いただきたい。
●佐々倉委員より、諮問書について「前回と同様に、7つの団体・分野から各1名
を諮問委員会が推薦を行うのがよいと考える」とご連絡をいただいている。
◎次期委員の選任方法について、佐々倉委員のご意見と同様に「これまでの7つ
の団体・分野から各1名を諮問委員会が推薦を行う」という方針で問題ないので
あれば、その方針を骨子として私と事務局にて答申書(案)を作成する形でよい
か。現委員の任期が2019年の3月末までであり、次回委員会にて具体的な委員の
推薦について進める必要があるため、答申書(案)については、作成後に各委員
にメールにてご確認いただくという形で進めたいがよいか。
〇異議なし
◎次回の委員会までに答申書(案)を確認いただき、その後、具体的な委員の
推薦についても相談することになる。引き続きよろしくお願いしたい。
<議題(3) その他>
◎本日、事務局で準備した議題は以上だが、JPRSより1点、情報提供があるとの
ことである。JPRSより説明いただきたい。
●これまでの委員会でも共有させていただいた、「学校名の日本語JPドメイン名」
について報告する。メールでもご連絡させていただいたとおり、今年の9月末まで
の約1年間の同時登録申請期間が終了し、11月から通常の先願申請による登録申請
の受付が始まった。総務省様を含め関係者の皆さまからご協力をいただきながら、
意見収集と周知活動を進めることができた。その結果、1年間の同時登録申請期間
中、随時、学校関係者の皆さまから申請をいただいた。多くの登録手続きをいた
だいたと考えている。円滑なサービス導入を進めることができたことについて、
改めて、この場でも御礼申し上げる。委員会での報告は今回が最後かと思ってい
るが、これから先も統計的な数値を含めたJPドメイン名全体の報告の中で折を見
て報告させていただきたい。
◎本件について、ご意見・ご質問等があればご発言いただきたい。
〇申請の分布について、小中高大や公立・私立で、何か傾向はあるのか。
●学校の中でも私立学校からのドメイン名登録が全体から見ると圧倒的に多い。
小中高という視点でみると、私立学校に関しては学校法人として小学校も中学校
も設置しているというところがほとんどであるため、そのようなところは全部
通して登録をいただいている。逆に公立学校については、特徴的な学校名があま
りなく、各都道府県の様々なところで似たような名前があり、競合として何かト
ラブルがあるかと事前には懸念されていたが、現状、公立学校同士でドメイン名
の登録の競合が発生するほど申請自体が公立学校からはきていない。名前に対す
る想いや、ドメイン名の活用という点で、私立・公立の差が今のところ非常に大
きいのではないかと考えている。
〇同時登録申請であったので、どちらが登録するかという問題等はどのくらい
あったのか。
●名前が競合した申請は幸いにしてなかった。そのようなトラブルは今のところ
入ってきていない。
◎「ed.jp」ドメイン名を導入したとき、大学や高等教育機関は「ac.jp」ドメ
イン名の登録ができるので小中高が対象となるが、当時、小中高は36000校あり、
内半分は小学校であった。統廃合等により、現在の数字は当時より減っている可
能性がある。そのようなデータベースがあるので、当時は同じ名前の学校が全国
に何校あるか等を調べ、よくある名前が非常に多いことがわかった。大変に警戒
をしたが、実際には先ほどのご説明のとおりである。公立学校は、学校間の異動
があり、教育委員会の人事範囲が1つの組織のようなものであると思う。ある学
校で先生がドメイン名を登録しようとしても、「それを継続できるか」という
問題や、小規模の学校ではドメイン名に関するシステム・サーバー運用が難しい
という問題がある。結局、学校を集約した単位で運用が行われ、やり方は都道府
県によってかなり違いがあると思われる。私立学校の場合は、教員も職員も割合
長期間お勤めになり、また、その学校の卒業生がそこに就職されているケースも
あり、名前に関しては大変こだわりがある。世の中に類似する名前の会社や組織
があったりするところもある。学校名を言うとき、略称で言うことが多いが、そ
うすると同じ名前のところが他にも出てきて、そのような点も含めて今回は丁寧
に進めていただいたと思う。教育関係の会合での共有や、政府の協力もあった。
教育関係の会合は夏休みに開催されることが多く、また、予算が年度ごとになっ
ているので、同時登録申請期間が半年であると時期がずれてしまいうまくいかな
かった。世の中でドメイン名の仕組みやそういうものが理解されるためには、学
校の、特に情報系に関心のある先生にまず正しく理解していただくということが
非常に重要であるので、社会全体への理解が深まるという一助になったのではな
いかと思う。
○統廃合が多くなっているとのことだが、統廃合してなくなった学校のドメイン
名はどうなるのか。
●JPドメイン名全体としては、なくなった名前をそのまま登録してよいかどうか
という観点では、各学校のご判断に委ねる形である。組織の名前とドメイン名の
名前が同じでなければならないという縛りは設けていない。例えば、合併や移行
の中で、しばらくそのドメイン名を使わなければいけないということがあれば
それはその運用の中で対応いただける形である。もう1つの観点として、登録資格
を持つ組織として存続しているかどうかという点がある。今回の学校名の日本語
JPドメイン名は、学校もしくはそれを設置している学校法人が申請登録できる形
になっている。そのため、登録名義としていた学校法人自体や学校自体がなく
なってしまう場合はそのドメイン名の登録は継続できないことになる。汎用JPド
メイン名であり、統合先の学校で改めてその登録を継続する等、1組織1ドメイン
名の制約はないため、そこは比較的柔軟に対応いただけるのではないかと思う。
○震災などで子供が転出し学校が廃校となる場合がある。仕方なく学校自体は
なくなったが、当事者は非常に想い入れがあり、学校をずっと拠り所にしている。
そのような場合も登録できないか。
●従前の議論の中で、まさにお話されたような要望があるのではないか、と同様
の議論があり、最終的には「やはり学校もしくは学校設置者が登録できるドメ
イン名というルールでいくべきであろう」という結論になった。例えば、「同窓
会が持ち続けるのはどうか」というご意見があったが、「今のところは『学校の
ドメイン名』という厳格さを持っていた方がよいだろう」という内容に議論が収
束した。つまり「登録できない」という結果だが、「今のところは『学校のドメ
イン名』という厳格さを保とう」というコンセンサスになっている。
◎同窓会が同窓会としてドメイン名を登録しているところはある。ただ、今説明
のあったような学校名のドメイン名に関しては、持ち主が極めてはっきりしてい
るので、同窓会といえども別の組織であるため同窓会が登録することはできない。
◎予約ドメイン名については、世界の他のドメイン名に比べるとJPドメイン名は
非常に丁寧に扱っていて、一般的な名詞は、登録できないような形になっている。
その中で小中高については、いろいろと子供向けに安全性・信頼性を確保する観
点で押さえていたが、要望もあり、今回始めたとのことである。混乱なく進んで
いることは結構である。過程でいろいろと懸念も表明され、質問もあり、丁寧に
進んだと思う。この件について関連のことが出てきたら、その都度報告いただき
たい。
◎その他、委員の皆さまから、ご意見・ご質問等があればご発言いただきたい。
○必ずしも学校名のドメイン名に関わるものではないが、最近、ある有名なWeb
サイトの偽サイトに関した新聞記事がでた。誤認を招くようなドメイン名の使い
方等をした場合、そのドメイン名を利用できなくするような規約はJPRSにはある
のか。
●JPドメイン名の規則という観点のみから回答すると、DRP(ドメイン名紛争処
理方針)に基づいてトラブルを解決できるところがある。手続きを「明確かつ簡
潔に」という代わりであり、DRPで対処できる範囲は商標称号関係の名称という
非常に限られた分野である。商標称号関係の名称とは関係のなく「紛らわしい」
「誤認混同を招く」という範囲まで広げて対処できるか、というとその範囲に入
らないものも多いと考えている。一方で、ドメイン名のルールだけではなく、社
会全体として捉えたとき、一般的な法律で、対処されるところもあるかと思う。
それはすぐにドメイン名の取り消しには結びつかないかもしれないが、現状はド
メイン名の登録ルールで対処できるところと、一般的な法律で対処いただくべき
ところの両方を使い分けて考えるところかと思う。
○今の説明について、商標を持つ人々が自らの商標などの知財を侵害されている
ということで訴えた場合、DRPで取り消しされることはあるかもしれないが、犯
罪や問題での利用をもって、JPRSとしてはドメイン名の利用の差し止めや取り消
しはできないということか。
●今ご質問のあったような事象について、現状の一般的な対処として、ルールに
基づきドメイン名を取り消すのではなく、まず実態としてそのWebサイトをテイク
ダウンできないかと考える。例えば、指定事業者やホスティング事業者にご連絡
して対処をお願いするという業界内連携の形で、これまで問題の解決を図ってき
ている。まずはその中で、ドメイン名のルールだけで解決しようということでは
なく、業界の中で上手に対処できないかという方向でこれまでやってきている。
一定の対応はできているのではないかと思うが、国内だけでどうにもならない等
いろいろな事象が出てきているので、個別のやり取りだけではなく、枠組みとし
て何か必要ではないかという議論が、これからJPRSだけではなく、進んでいくの
ではないかと思っている。
●JPドメイン名の場合に限って話すと、「指定事業者は日本にいなければならな
い」「登録住所は日本でなければならない」等のルールがあり、悪いことをして
いる人は大抵登録時に虚偽の申請をしていたり、ISP等の約款で「悪い使い方を
すると取り消す」と明確に書かれていたりする。今までの例で言えば、その2つ
のどちらかに抵触し、ほぼ100%テイクダウンされているという状況である。JP
ドメイン名であることは大きな理由になっていると思う。
○都道府県や市町村の使うドメイン名については、「事業者にWebサイト運営を
丸投げする」という実態がなくなれば、簡単になりすましはされないと思う。政
府機関はなるべく「go.jp」ドメイン名以外は使わないようにという規則で運用し
ている。そして、それをしっかり広報・周知すればよいと思う。
◎今まで様々な議論があったかと思うが、いろいろな機会を捉えて、地方自治体
に正しい使い方を認識いただくとよいと思う。確かに、運用を丸投げすると狙わ
れる。関係組織との連動が必要な話であり、熱心な地方自治体もあると思う。
これまでも地方自治体に関して総務省にご協力いただいたこともあったかと思う
ので、一斉にできなくても先行事例のようなものがあったりすると、大変よいと
思う。ぜひご指摘のあった点は、検討いただければと思う。
《今後の予定について》
◎第63回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。次回の委員会の具体的な
日程については、また後日、事務局より調整させていただく。
<閉会>